◎ 目 的
ここ数年八雲町内では、各団体において「PC教室」が開催されており、PC・インターネットへの町民の関心も高く、毎回定員を超える申し込みがあるようです。一方残念ながら、その内容・設備ともに最新の環境・技術とは言えず、時間的制約もあることから、多岐に渡る町民の要求に応えきれていないのが現状であると言えます。
昨年、我々八雲パソコン同好会は、八雲町文化祭に出展し、PCに興味を持った多数の見学者を町内外から集めました。予想以上の見学者数に町民のPC・インターネットへの関心の高さがうかがわれました。また、その際に開設した「PCよろず相談コーナー」により、多くの町民がPCを前に沈黙し一人悩んでいることも知りました。
PC・インターネットは学術に起源していますが、産業として発展した経緯からも、その教育をコンピュータ会社が商業ベースで進めるべき事なのかもしれません。しかし、現在では学校教育において「情報教育」としてPC・インターネットの配備が進められ、既に訪れている情報化・ネットワーク化社会をになう授業の一環として明文化さえされています。多数の町民の要求に裏付けられ、その普及は、もはや「社会教育」として本質的に位置づけられてしかるべき性格のものである事は、昨今の時代背景からも疑う余地がありません。
このような現実のもとで現在の八雲町の状況を鑑みると、最新のPCの知識・技術を希望内容・希望時間で習得できる場所・機会が皆無であります。結果として「PCはよくわからない」、「仕事に生かせない」、「あるけど、どう使っていいかわからない」といった悪循環に陥っているのが現状です。多数の町民が興味や関心を示しながらも、実際に接してみたり、基礎的な知識を得ようとするその大切な機会が失われていることは極めて残念なことであり、また八雲町にとっても大きな損失であることは明白です。
我々八雲パソコン同好会はこれまで数件の団体・個人の要望に個別に接して活動してきました。当然のことながらその要望はケース・バイ・ケースであり、その取り組みも基礎から応用まで、ハードウェアからソフトウェアまで個々の相談によって変化しています。また興味や関心を寄せる方々も子供から高齢者まで多数の方がおりました。「話題のインターネットとはどんなものか」と関心を寄せた高齢者の方や「家にPCがあるのだけどあまり使っていない。実際にどういうことが出来るのだろう」と興味を寄せた主婦の方「このソフトウェアのもっと工夫した使い方を教えてほしい」と熱心に相談に来られた商店主の方など広範囲です。しかしながら、老若男女に関係なく多くの方々がまず発した言葉は、「PC・インターネットをもっと知りたい、おぼえたい、生かしたい。」というごく素朴な、しかし事実の本質をとらえた『言葉』です。
この『言葉』をふまえたうえで我々八雲パソコン同好会が憂うことの一つは、「PC・インターネットの普及」によってもたらされる世代間の断絶です。生まれたときからコンピュータに囲まれた若い世代とは異なり、年輩者の方々がPC・インターネットに向かうには大きな「心理的な壁」があるのは事実であり現実です。一部の実年層は自暴自棄からか「無関心」を装うケースさえも見受けられます。安易にコンピュータの功罪を論ずる以前に、既に到来している情報化・ネットワーク化社会の共通基盤として不可逆な増大を見せるPC・インターネットへの正しい認識・教育こそが、「心理的な壁」を払拭し、世代間を越え新しい生活基盤とし確立するものと信じて疑いません。
しかしながら、この対応如何によっては、町民が「社会的情報弱者」に陥る危険性を有することは避けられません。この問題は八雲町の「社会教育」として討議されるべきものでありますが、未だかつてこの問題を積極的に提示しかつ解答を示そうとする例を、残念ながら我々は寡聞にして知りません。「社会教育」と「コンピュータ」を全く異質なものととらえる旧態依然な風潮の中で、これに対する我々八雲パソコン同好会が到達した答えは、「町民にPCにふれる機会を増やさねばならない」というものです。
そこで我々八雲パソコン同好会は今回の事業を企画しました。当同好会は、すべて初歩(基礎)を大切に考えています。今までのセミナー等がすべからく当初の目的を達成できないのは、不徹底なつぶしの利かない初歩(基礎)知識の教授であり、また基礎から応用への橋渡しがないことによるものです。それは、要求の十分な事前調査もなく、日々進化するPC技術に背を向け「開催することに意義を感じる」本末転倒な開催となり、終了後にも十分な総括さえされていないためだと考えます。特定の講師・特定のPC環境に依存してきたため、多種多様多岐にわたるニーズを満たすことなど到底出来ず、偏ったものにならざるを得ない実状も理解出来なくもありませんが・・・。
本来 パソコン・インターネットの可能性は無限なのです!
以上をふまえ、全町的なPC・インターネットの普及・底辺の拡大を町民自らがボランティアとなりチャレンジすることを現時点での目標として、この事業の趣旨説明とするものです。
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